人生のメモ

琴線に触れた小さなことを、文章に。

情報過多のストレスに立ち向かうために

僕らが日々感じている様々なストレス。その形は、時代によって変化するようだ。スマホがいつも手元にあり、いつでも情報に触れることができるこんな時代だからこそ感じるストレスもあるという。

情報過多のストレスから“脱出”する、たったひとつの方法|WIRED.jp

プッシュ通知は「茂みからのカサカサ」

先日SNSがストレスになるというネタについて書いたが、今回の話はSNSだけでなく、ニュースなどの、誰もが日々取り入れている情報を対象にしたものである。

冒頭の記事をまとめると、「ストレスを減らすために、プッシュ機能をオフにしよう」というだけ。どうやらこの著者は、プッシュ通知が人間にとってストレスだと考えているようだ。本当かどうかは置いておいて、その理由を示した箇所を抜粋しておく。

遠い祖先が茂みから聞こえてくるカサカサという音に反応していたのと同じように、あなたはアラートに反応する。ふたつは異なる刺激ではあるが、脳はニュース速報のアラートと茂みに身を潜めるトラの違いを、本能的には認識しないのだ。

僕はスマホの通知なんて小鳥のさえずり程度にしか感じていないのだが、猛獣に襲われるのではないかと怯える人もいるようである。LINEが鳴る度にガタガタ震えている人がいたら、そういうことだと察してあげてほしい。少なくとも僕は、まだお目にかかったことはないが。

たまには他人との繋がりを絶つのも良い

しかし確かに、たまには情報から解き放たれて、ボーッとするのも気持ちがいいものだ。通知音は置いておいても、SNSは誰かと繋がるが故に、多少のストレスは避けられない。他人との繋がりを一時的に絶つのは、気持ちをリフレッシュする上で効果的なのは間違いない。

ただ僕の場合は、仕事で24時間動くシステムを管理している以上、常に電話を手放せない。だから心が休まらない。さすがにもう慣れたが、ここ3年はずっとそんな感じだ。そういえば、着信が鳴るたびにガタガタ震えているかもしれない。いた。震えてる人ここにいた。

本当は何も気にせず、スマホも何もかも置いて旅でもしてみたい。ビールのCMでよく見るような広い草原にでも行って、寝転がって本でも読みたい。そんで綺麗なお姉さんが隣に座ってきて、仲良くなったりしたい。「風が気持ちいいですね」なんて話しながらいい感じになったりしたい。

こんな小さな願いが叶わないのも、常に他人と繋がってるせいである。

止めるべきは、通知ではない

さて、AIやらIoTやらが発展し、それらは今後ますますパーソナライズされていく。機械は個人の好みを正確に把握し、それぞれに必要な情報を提供してくれるようになるはずだ。それが「通知」と呼べるものかどうかはわからないが、人々の生活に自然に入り込んでいくだろう。

昔は新聞で全ての記事全体が目に入ってきて、そこから読むものを選択していた。今はニュースアプリでタイトルだけを見て、自分が気になったものを選択して見ている。それが今後は、タイトルすら見ることなく、必要なニュースが流れ込んでくるようになる。

これはある意味、自然な流れである。きっとSNSも、AIが相性の良い人同士を繋げてくれるようになるだろう。草原で微笑んでいる綺麗なお姉さんと繋がれる日が来るかもしれない。

そんな通知を、茂みからのカサカサと同じ理由でストレスの対象として止めるのは、さすがにどうかと思う。通知そのものがストレスだと言うのなら、いかにそれを感じないように生活に溶け込ませるかを考えていくべきだ。

いつの時代も、流れを見て、変化する環境に応じた考え方ができるようになりたいものだ。

ハンターハンター再開とニートのブログから考えたこと

連載が止まっていた人気漫画『HUNTER×HUNTER』の連載再開が決まったようだ。Twitterのトレンドに上がっていたことからも、多くの人が待ち望んでいたのが見て取れる。僕も全巻Kindleで買ったほど個人的に好きな漫画なので、かなり嬉しい。

多くの人が待ち焦がれるコンテンツ

この「多くの人に待ち望まれる感覚」というのは、どんなものなのだろうか。待ち望まれるものとしては、漫画家や作家やアーティストなどの「作品」であったり、iPhoneのような特徴的な「製品」であったり、いくつかバターンがあると思うが、普通の会社員には、なかなか味わえるものではない。

しかしブログについては、僕のような一般人でも気軽に発信できると同時に、期待される可能性を秘めたコンテンツと言えるだろう。大抵のブログは更新されなくても誰も気にしないが、本当に人気のあるブログは、楽しみにしている人も多い。

ということで、僕がたまに見る人気ブログを例に出すと共に、少しばかりその特徴や思うところについて書いてみる。そのブログは、なんと月間2000万PVである。

イエーーーイ!2000万PVイエーーイ!! : まめきちまめこの日常

ニートが叩き出す驚愕の数字

ブログをやっている人ならわかると思うが、これはニートが叩き出す数字とはとても思えない。ブログ界ではPV自慢をする人をよく見かけるが、この2000万PVを見てからは、どのブログにもあまり凄みを感じなくなってしまった。

彼女は今でこそ有名人だが、最初は当然ながら一般人である。何の取り柄もないニートだったのだ。そんな彼女がこれほどのPVを出すためには、ブログに相当飛び抜けた特徴が必要なのは間違いない。一体何なのだろうか。

根本的な笑いのセンスや絵心といったところもあるとは思うが、大きくは「漫画」「毎日更新」「ニート」あたりが特徴として見て取れる。他のブログで「漫画」かつ「毎日更新」という組み合わせは少ない。そこに、「ニート」という最も社会で弱い立場からの発言による嫌味のなさが加わり、笑いや共感を生むのだろう。

しかし、他のブログと比べて何十倍、何百倍もの差が生まれるほど面白いかと言われると、疑問が残るのも事実ではある。そこには人間性とか、雰囲気といったような、言葉や数字にしにくいものが関わっているのかもしれない。

「面白いからまた見に来よう」の素敵さ

そして何より注意してほしいのが、このブログが漫画メインであり、文章がほとんどないことである。そのため、当然ながら検索からの流入は大したことがないだろう。つまり単純に、日々の更新を楽しみにして多くの人がアクセスして2000万PVになっているのである。

最近はアフィリエイトも盛んになり、多くのブログや書籍などで、検索からのアクセス数アップが謳われている。しかし、検索第一のブログよりも、「面白いからまた見に来よう」と思わせるブログが、1番素敵なのではないだろうか。この人気ブログを見る度に、そんなことを感じている。

人のブログをどうこう言える立場もアクセス数もないが、僕もそんな素敵なブログを目指していこうと思っている。

9時から17時で働かなくてもいいじゃないか

世間では過剰労働が注目を集めているが、フューチャーイノベーションという会社は、1日5時間勤務だという。13時から18時。仕事は朝から晩まで働くもの、という常識はもう古いのだ。

正社員なのに定時は13~18時 創業時から全員5時間勤務の会社「朝は通勤ラッシュで疲れる、昼食後は眠たくなるから」 | キャリコネニュース

9時〜17時という無意味な縛り

今は多くの会社で、9時から17時とかその前後が勤務時間となっていて、さらには残業も行われている。しかし、実際にそうしないとビジネスが回らないのか?というとそれは違うだろう。全ての会社がそうとは言わないが、少なくとも適切な時間は会社ごとに違うはずだ。

確かに資本主義の競争の中では勤務時間はある程度長いほうが有利かもしれない。とはいえ果たして、会社の利益のために、自分の時間を捧げたいという人間がどれほどいるだろうか。会社はそこそこにして、プライベートを楽しみたい、という人の方が圧倒的に多いのではないか。

ゆとりの足りないおっさんたち

今や世の中は急激に変化し、昔の制度は意味をなくし、人々の考え方も変わってきている。「ゆとり」という言葉が悪い意味で取られることがよくあるが、昔の習わしに囚われて忙しく働こうとする人にこそ、ゆとりが必要なのではないだろうか。

今の時代に合わせた人間らしい生き方をするために、必要なものと不要なものを見極め、本当の意味でのゆとりを手に入れようとするべきではないか。朝から晩まで働くことに、もはや意味はない。一生同じ会社で、楽しくもない仕事をし続けることにも意味はない。

これから出てくる会社が鍵

大きな会社は、変わるのが難しい。既にあるものを壊して作り直すのは、時間も労力もかかる。反対勢力も必ず出てくる。だからこそ、これから出てくる会社は、昔からの古びた考え方や他の会社に囚われず、刷新した働き方を作り上げていってほしい。

探り探りにはなるかもしれないが、この急激に変化する社会ではその方が正しい選択になると思うし、いずれそれがスタンダードになっていくだろう。 僕らだけでなく、僕らの次の世代が心地よく働ける未来を、今のうちに、少しずつでも作り上げていきたいものである。

元都知事だって男だもの

元都知事の猪瀬さんが、大手アダルトサイトのXvideosをブックマークに入れていたということで話題になっている。しかも、その理由を電話で答えさせられている。

「なぜ、Xvideosをブックマークに?」 猪瀬直樹氏に聞いた - ITmedia NEWS

人間は時に、酷なことをする。男なら誰でも、アダルトサイトの1つや2つブックマークしているというのに。

答えにくい質問への回答

しかし、答えにくい質問への答え方には、その人の人間性が垣間見える。堂々とした態度で、ユーモアを交えて答えれば、きっとその人の株は上がる。むしろ大人の男を見せるチャンスである。

しかも下ネタは、誰もが笑ってしまう魔力を持つ。最近「うんこドリル」なるものが流行っているというのをご存知だろうか。うんこを例文に使った漢字ドリルである。試しにこのページを読んでみてほしい。

うんこ漢字ドリルのシュールな例文10選! 電車で見るの大変危険

ギャップは笑いを生む

「公害問題が気になってうんこが出てこない」などというフザケた文章を今までに読んだことがあるだろうか。「漢字ドリル」という真面目な空間に、「うんこ」という下ネタが堂々と登場するギャップが、どんな例文も笑いに変える。

ギャップという意味では、「元都知事」と「Xvideos」も、同じぐらい素晴らしいギャップを秘めた組み合わせである。むしろ何を答えても笑いを取れるのではないだろうか。という期待を胸に記事をスクロールしたところ、意外な回答であった。

――Xvideoをはじめとしたアダルトサイトに興味はないのですか

こういうのは一回見ればいいのであって。何が起きているのかについては興味がある。世の中に何があるかは知らなきゃだめだしね。「世態人情」(世の中の動向)っていうのは常に、アンテナを張っておく必要がありますから。

普段から見ているかというと、見てないよ、そんな暇ないもん。

なんと、「エロに興味がない」と言いたげな真面目な回答である。「元都知事」と「真面目」では、残念ながらギャップはない。個人的には「男がアダルトサイトを見るのに理由がいるかい?」ぐらい堂々と回答していれば、彼を見る目も変わったかもしれないと思うのだが。

下ネタは万能

しかし冷静に考えると、いい歳した男が「エロに興味がない」といった回答をするのは明らかに不自然である。

小中学生のような、「エロに興味があることを恥じている雰囲気」をおっさんが作り出していることが大きなギャップであり、それはそれで面白い。必死に言い訳をする子供のような姿に愛着が湧いた人もいるだろう。もしかすると、彼はそれを狙ったのかもしれない。やはり世態人情にアンテナを張っている男は違う。

などという心からどうでもいい話を取り上げてみたのだが、まとめると、笑いを取るなら下ネタは万能だということだ。あなたなら、何と答えるだろうか。

プレミアムフライデーを失敗にしたい人たち

昨日はプレミアムフライデーだった。あなたは早く帰れただろうか。僕は帰れなかった。残念ながら当然のように打ち合わせが入っていて、プレミアムらしさはゼロだった。同じような境遇の人は多いようだ。

プレミアムフライデー、経産省は未だ失敗を認めず 「手ごたえはある。給料日後なら贅沢できるはず」 - エキサイトニュース

プレミアムフライデーに対するネガティブ意見

15時退社できている人は3.7%だという。しかし僕がこの記事を見て思ったのは、世間はネガティブ過ぎないか?ということだ。

そもそもタイトルが「プレミアムフライデー、経産省は未だ失敗を認めず」である。もう失敗を認めて諦めろよ、という言い方だ。Twitterを見ても、「できるわけない」といった否定的な意見も多く、たしかに実際諦めている人もいる。

本当に、失敗にしたいのか?

気持ちはわからなくはない。僕も実際プレミアムれなかった。とはいえ、失敗を認めて終わりにしたら、何も変わらず残業漬けの金曜日である。本当にそれでいいのか?せっかく国が早帰りを認めているのに、何もなかったことにしたいのか?

出る杭は打たれるという言葉があるが、日本では新しいことをすると叩かれる風潮がある。既得権益を守り、今の自分を守ることに必死な人たちが、現状を変えまいとして新しく出た芽を潰す。

この風潮は、変化の早くなった現代においては、きっとこの先大きな足かせになるだろう。

変わるのはこれから

今回のプレミアムフライデーへの反発は、「現状を変えたくない」と言うよりは「変えたくても変えられない」という意見である。しかしどちらにしろ諦めたら一緒だ。「変わらないこと」を選択したことになる。

制度に合わせて現場を変えるのは現場の役目だ。どうしたらプレミアムを実現できるのか、考えていこう。国のやり方が下手だと思うなら、それを発信していこう。そう考える人がもっといてもいいんじゃないか。

そんなことを考えた、4度目のプレミアムフライデー。まだたったの4回である。変わるのは、これからだ。

CD売れない、チケット高い、音楽業界の悲鳴

音楽業界団体が自ら立ち上げた、コンサートチケットの公式リセールサービス「チケトレ」が6月1日にオープンする。チケットの高額転売を抑え、購入チケットをファン同士で定価で譲り合えるようにするのが目的だ。

「このままでは業界全体が死ぬ」今、音楽業界が「転売NO」を叫ぶ理由

チケット転売は、音楽業界の死活問題…?

一見ライブ好きには助かるサービスだが、高額転売への効果があるのかは正直言って疑問である。それより最初に気になったのは、記事のこの部分だ。

CDの売り上げが下がり、今ほぼ唯一と言っていいほど収益源になっているライブやコンサートの領域で成長を阻害されるのは、今後の業界全体の発展を考えると、死活問題だ。長期的にアーティストたちが生産活動できなくなっていく可能性がある。

音楽業界は、こんなことはとっくにわかっていたはずである。そもそも、いつまでもCDにしがみついているのが、おかしいのではないか。未だにネットで曲を買えない人気アーティストが多数いるが、さすがに時代遅れと感じざるを得ない。

ネットには姿を出さないジャニーズ

話が少し逸れるが、ジャニーズはテレビの映像もネット配信されていない。雑誌のネット配信でも、彼らの写っている部分は完全に塗りつぶされている。曲も映像も写真もネットには出さないという一貫したビジネスモデルである。

ネットに出さないことで敢えて希少性を生み出しているのかもしれない。AKBなどとは逆に、手の届かないところにいるということを、売りにしているのかもしれない。しかしそれに対して、もどかしく感じているファンも多いだろう。

個人的には、せめて曲ぐらいはネット配信してもいいのではないかと思うのだが、恐らく彼らに限って言えば、まだまだCDの売上があると思われる。躊躇なくお金を注ぎ込む根強い女性ファンが多い印象は未だに強い。

CDが売れないからライブに頼る姿勢

話を戻すが、音楽業界は基本的にCDがほとんど買われないのだから、収益を上げたいなら、まずはそちらを何とかした方がよいのではないか。単純に音楽を聴く人より、ライブに行く人の方が圧倒的に少ないのだから。CD売れないからライブチケットを!と叫ぶのは少し違和感がある。

当然、ネット配信についても既にいろいろ考えられているとは思う。若者は怪しい無料音楽アプリで聴いたりするので、対策が難しいかもしれない。コピー対策技術や、ネット購入による付加価値なども要るだろう。ただ、この時代にネット配信しない、という選択はさすがにどうかと思う。

今回オープンするサービスで、並行してチケットも売れるようにしたい、というのは当然の思いだろう。しかし、定価で譲ることを前提にするこのサービスが流行るとは思えない。確かに他の胡散臭いサービスより「公式」という安心感はあるが、お金の面では買う方にしかメリットがない。この辺も、今後どうやって売る人にインセンティブを与えるのかが課題になってくるだろう。

うーん…終始真面目な記事になってしまった。

AlphaGoが見せつける未来への憧れ

Googleの人工知能「AlphaGo」が、世界最強の囲碁棋士、柯潔(Ke Jie)九段と戦っている。全3局で、第1局はアルファ碁が勝利したそうだ。AlphaGoは以前にも他のプロ棋士を打ち負かしたことはあったが、今回も早速勝利を飾った。

グーグルのアルファ碁、世界最強の中国人棋士と対戦 第1局で勝利 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

自信満々の棋士を打ち負かす人工知能

下記の引用からもわかるように、対局前、この棋士はかなり強気だったようだ。

2年以上トップ棋士の座に君臨し、自らを「自信家」と形容したこともある柯氏は昨年、アルファ碁との対戦を視野に「やれるものならやってみろ!」と挑発し、機械には絶対に負けないと豪語していた。

これほど自信を持っていたトップ棋士が、AlphaGoとの対局後には、完全に打ちひしがれている。少し笑ってしまうぐらいに態度が一変しているが、これが人工知能の力である。

柯氏は22日、中国版ツイッター(Twitter)の「新浪微博(Sina Weibo)」に「AIの進歩はわれわれの想像をはるかに超えている」と投稿。同時に、今回の勝負を終えたら二度と対戦しないと改めて明言した。

世界最強とも言われたほどの人間でも、あっさりと負けを認めるほど、人工知能は進化を遂げている。これほどまでに差をつけられると、もはや人間は、囲碁の世界では人工知能に勝てないのかもしれない。

人工知能が日常に溶け込む日

AlphaGoの活躍を見ていると、記憶力や計算力の分野だけではなく、過去のデータから新しい手を生み出すという意味でも、機械は人間を超えたことを実感する。となると今後、人工知能は様々なジャンルで人間よりも良い仕事をするようになるのは間違いない。

過去、機械は幾度となく人間の力を凌駕してきた。車は人間より早く走るし、飛行機は人間には不可能な「空を飛ぶ」という夢を成し遂げた。そしてどれも発明当時は大きなインパクトを持つものだったが、今や日常生活の一部となっている。

そして人工知能も、過去の発明と同様に、日常に取り込まれていくのだろう。過去のデータが蓄積されるものは、すべからく人工知能によって分析され、予測や改善がされていくだろう。それも、人間よりもはるかに高い精度で。

人間としての期待と不安

僕はこの「人間 vs 人工知能」のイベントで、人工知能が勝つことを期待していた。それは未来の変化に対する期待でもある。その感情は、幼い頃に憧れたヒーローたちに抱く感覚に似ているような気がする。普通の人間にはできないことをあっさりと成し遂げるその姿は、今の人工知能に重なるものがある。

人工知能によって多くの人が職を失うとか、人工知能は人間の敵になるとか、恐れを抱いている人も多い。しかしそんなものは杞憂に過ぎないだろう。過去の産業革命時のラッダイト運動(機械破壊運動)のようなものだと思う。実際いろいろな課題は出てくるだろうが、同時に対策も出てくるだろう。

総じてよくある話になってしまったが、今日はこの辺で。

日経ビジネスオンラインの釣りタイトルを見て

トヨタがAIによる自動運転で、NVIDIAという半導体メーカーと提携した。NVIDIAは半導体メーカーとしては世界的に有名であり、最近は様々な場面で名前が挙がっている会社だ。

日経ビジネスオンラインの釣りタイトル

日経ビジネスオンラインがこの提携をニュースにしたのだが、その記事のタイトルは「トヨタが頼った謎のAI半導体メーカー」であった。

詳報:トヨタが頼った謎のAI半導体メーカー:日経ビジネスオンライン

NVIDIA広報「釣りタイトルだけど...」 日経ビジネスに"謎の半導体メーカー"と扱われた件でコメント

記者はこの会社のことを十分に知っていたにも関わらず、このような表現を使ったという。いわゆる釣りタイトルである。悪意は感じられないが、技術に敏感な人やNVIDIA側からすれば違和感を覚えるところだ。

目を引くタイトルを付ける常識

僕がブログを書く上ではあまり気にしないが、「目を引くタイトルをつける」というのはインターネットでは基本になっている。新聞とは違い、ネットではリンクを選択されて、記事が表示されないと読んでもらえないし、シェアもされないからだ。

上で挙げた例はまだマシだが、明らかに嘘っぽいタイトルもよく見かける。ジャンルによっては、広告収入狙いの記事もひと目でわかる。そのような記事に出会うと、これだからインターネットはうさんくさく見えちゃうんだよなぁ…と思わざるを得ない。

ルール内であれば何をしてもいいだろう、と言われると確かにそうなのだが、このような釣りタイトルは、人として「これはしない方がいい」という分類に入るのではないだろうか。

記事の中身の素晴らしさの判定は難しいのか

とは言えその線引きは人によるだろうし、利益を求める人間がそういう選択をしてしまうのは、致し方ないとも言える。そういう意味では、わざわざ釣りタイトルを付けたくなるような仕組みがよくないのだろう。

タイトルをクリックして中身を読んだときに、「騙された」と思ったのか「素晴らしい内容だった」と思ったのかがわからない以上、それは避けられないのかもしれない。しかしこのままではずっとこんな状態が続くことになる。

Googleが長年かけても今の状態なのだから、相当難しい問題なのだろう。しかし人間と同じ常識を持ったAIが、「この記事はうさんくさいな」なんて考えられるようになったら解決されていくはずである。そろそろそんな時代が来ることを祈るばかりだ。

絵本を無料公開する理由

キングコングの西野亮廣さんが、絵本を無料公開してクリエイターたちに非難されているようだ。炎上に加わるようで話題にするのもやや気が引けるが、僕も軽く乗っかってみようと思う。

キンコン西野 絵本無料公開反対のクリエイターを批判「実力を上げろ」 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

絵本を無料公開する理由

上の記事から、一連の流れをざっくりまとめた部分を抜粋してみる。

西野は今年1月、小学生の「2000円では買えない」との意見を聞き入れ、ネット上で同作の無料公開に踏み切った。その後、「アニメクリエーターの収入が奪われる」などの反対意見が続出。炎上状態に陥った。

「自分の同級生はもう母親になっている人が多いんですが、母親は時間にもお金にも余裕がない。だから『外れ』が許されないんです」とし、「本屋で立ち読みしてから買い与えるといっても、その時間もない。だから、スマホとかで立ち読みできるように、無料公開にしたんです」と真意を明かした。

以前の彼のツイートか何かで「お金がなくて買えない子供のために」的な内容を読んだ記憶があるので、上のコメントには少し違和感を抱いたが、それは一旦置いておこう。

抜粋部分を更にまとめると、「無料にした理由は、買う前に中身をスマホで確認できるようにするため」ということになる。立ち読みする暇もない人が、わざわざネットで事前に検索して確認するのかは怪しいが、これも一旦そういうことにしておく。

絵本は無料化しても購入される

最近は様々な場面で当然のように使われているこの「無料お試し」方式だが、「絵本」というジャンルではあまり使われていなかったため、こうして非難されているのだと思われる。そんな無料化反対の声に対する西野さんの意見として、こう書かれている。

「強度に自信があるなら、無料公開をするのは有効。無料公開して売れなくなるのは、一定レベル以下の人です」と反対派をバッサリ斬り捨てた。

「売れなくなるのは、一定レベル以下の人」という表現は強めだが、間違ってはいないだろう。絵本は「子供への読み聞かせ」という用途上、手元に本がなければ意味がないので、内容が良ければ購入されるはずである。

情報量の差は良いものを淘汰する

ところで、「情報の非対称性」という言葉がある。買い手と売り手では、商品に対する情報に差異があるという性質だ。

よく聞くのが中古車の例だ。あなたが車を売るとする。大事に手入れして使ってきた車なので、高値で売れると信じている。しかし買い手からすれば、どのように扱われてきたのかはわからない。過去に他の人から買い取ったものがイマイチだったとしたら、簡単に高値では買い取れない。

想定よりも安い見積り額を言い渡されたあなたは、結果的に売るのをやめるだろう。そんなケースが積み重なると、結果的に良いものは市場に回らなくなる。質の悪いものばかりが増えていく。

これは、僕らが買い手の場合も同様だ。品質が不明確なものに対して、高額を出す気にはなれない。売り手は、質の良いものを売っても値段相応で買ってもらえないから、質の悪いものを売るようになる。こうして、買い手と売り手の持つ情報が違うと、世の中から良いものが淘汰されてしまうのである。

情報の開示で悪いものが売れなくなる

一方で、買い手がしっかり情報を持っていれば、適切な価格が設定される。良いものは高く、悪いものは安くなる。

売り手からの情報開示や無料体験、ユーザーレビューなどで、買い手にしっかり情報が渡っている製品やサービスは、適切な価格になるわけだ。すると、質が悪いものは売れにくくなる。大抵の商品はこうなっている。

今回の絵本無料化の件も、無料化することで、買い手に十分な情報が行き渡り、値段にそぐわないレベルのものは売れなくなる。そういう意味では間違っていないのだろう。…とは言え、絵本の場合はネットで公開しなくても立ち読みできるので、話題作りでしかない気もするが。

そういえば、書いていて思ったが、ブラック企業なんかも同じ原理なのかもしれない。もっと情報が開示され、雇う側と雇われる側が対等になれば、わざわざブラック企業に行く人間はいなくなり、それも淘汰されていくのだろうか。

インスタグラムが及ぼす悪影響

イギリスのある調査で、「若者の心の健康に最悪」なSNSはインスタグラムであることが判明したという。

「若者の心の健康に最悪」なSNSはインスタグラム=英調査 - BBCニュース

最悪なSNSで生まれる悪影響

タイトルの「最悪」という表現は大げさにも思えるが、実際これらのSNSの中で最悪だったことは事実である。記事の一部を抜粋してみる。

YouTube、インスタグラム、スナップチャット、フェイスブック、ツイッターを比較した際、インスタグラムが最も悪い影響を与えることが分かった

インスタグラムが若者の心に与える不安感や孤独感、いじめ、外見への劣等感など否定的な影響が、他のSNSよりも高かったという。

以前、Facebookを使うと幸福度が下がるという記事もあった。今回の調査は、Instagramはさらにその下を行くという結果のようだ。写真ベースのInstagramの方が、視覚情報から他人の幸せ感がより伝わってしまい、孤独感や劣等感などが生まれたりするのかもしれない。

みんな頑張ってリア充らしさを演出しているのに、それが他人へ悪影響を及ぼしているとは、なんとも悲しい事実である。

SNSで幸せを感じられるのか

今やスマホでいつでも誰とでも繋がりを持てるようになり、便利になったはずなのに、逆に悪影響が生まれている。1人では寂しいから誰かを求めて繋がったのに、より寂しくなるという皮肉な状況。人の感情は複雑である。

ではSNSを通じて少しでも幸せになるにはどうしたらいいのだろうか。極端に考えれば、幸福度が下がるFacebookやInstagramはやめたほうがいい、ということになる。他人に対する羨ましさや妬ましさを生まないように。

逆にやめずに、例えば不幸そうな人をフォローすれば優越感で幸せになれるのかというと、それも違う気がする。不幸そうなおっさんの顔写真などを見ても、優越感どころか不快感でしかない。暗い人を見ていたらこっちも暗くなるし、みんな他人の不幸話を聞くほど暇ではない。

自分の居場所を求めて

結局のところ他人のプライベートなんて、わざわざ定期的に見たところで、良いことがないのだ。会った時の話のネタとして聞くぐらいがちょうどいい。それに気づき出した人たちが「Facebook離れ」を生み出したのかもしれない。そのうち「インスタ離れ」も始まるのだろう。

ただ、コミュニケーションという意味ではSNSは価値がある。「誰かと繋がっている」とか「自分の居場所がある」と感じることで人は幸せになるものだ。

とは言え、それも今は気休め程度でしかないとも言える。リアルとネットでは、やはり繋がりの強さの差がまだまだ大きい。ネットでは多くの人と繋がっているが、普通に会って喋るのが本当の友達だと考える人も多い。

FacebookはVR(仮想現実)にも最近力を入れているというが、きっとそのあたりの壁をぶち壊しに来るのだろう。本来技術は、人の生活をより便利にするものだ。未来の技術は僕らの生活をどう変えていくのか、楽しみながら見ていきたい。