人生のメモ

琴線に触れた小さなことを、文章に。

インターネットでイライラしてしまうあなたに

つい10年ほど前までは、「リアル」と「ネット」はよく対比されていた。「リアル」とは実生活であり、「ネット」はインターネット上のブログや掲示板などでのコミュニケーションを指すイメージが強かった。

それらが対比されていたのは、リアルからは一線を引いた世界がネット上に存在し、リアルしか知らない一般人にとってそれが面白かったからだろう。「2ちゃんねる」での書き込みをネタにした話題も、頻繁にニュースやメディアで取り上げられていた。

しかし最近はそんなこともなくなってきている。「リアル」という言葉自体、あまり聞かなくなった。リアルとネットの関係に変化が生じたからだ。これは、スマホの普及が1番の要因だと思う。

スマホの普及がインターネットの世界を変えた

以前は、インターネットに接続するには、前提としてPCが必要で、家に帰ってPCを起動する必要があった。対して今は、スマホさえあればどこでも簡単に接続でき、LINEもTwitterもInstagramもできてしまう。ネットは日常に溶け込み、リアルとの境目はほぼ消え去りつつある。

この変化は面白くて、インターネットの雰囲気を大きく変えた。元々はリアルとネットが明確に分かれていたためか、リアルで満足できない冴えない人たちがネットを楽しんでいる印象があり、実際それは否定できなかったように思う。「ネット=オタク」というイメージが拭えなかった。それがスマホによって一気に変わった。

僕はネットの冴えないイメージが好きではなかったので、スマホ普及による一般人のネットへの流入は嬉しかった。オタクでも技術者でもない、いわゆる「普通の人たち」が、日常でネットを使うようになったことで、インターネットがより一般的なものになった。

しかし、それと同時に大きな問題が起きていると思う。

モラルのない人間が増えたインターネット

例えば、あなたはネットで何かを読んでいてイラッとしたことはないだろうか。Twitter、ブログ、何でもいいが、「何なんだよコイツ…どうかしてるよ…」と思ってしまうような書き込みが増えたようには思わないだろうか。

元からそんな書き込みはある程度あったが、僕は増えたように感じている。最近で特に思ったのは、スーパーマリオランの課金体系に対しての怒りの書き込みである。「無料ステージが少ない」と星1つのレビューをつける人の多さよ。もうね、アホかと。1200円出して買ってからレビューせいと。

ブログなどに対するコメントも、とても大の大人が書くとは思えない幼稚な内容を多々見かける。シネだのツマランだの一言コメント残すだけじゃ、何も変わらないし何も生まない。どうせ手を動かすなら、自分の意見を書けば何か伝わるのに、不快感しか生まない言葉を書き連ねる。

インターネットの世界を快適に過ごすために

その変化の大きな原因は、低年齢層がネットを利用し始めたことだろう。10代の子供たちでも、余裕でインターネットを使える環境になったのだ。今や世帯では7割以上がスマホを持つらしい(2010年は1割)。小学生ですら6割近くが情報端末を持つという。

もちろん子供が皆モラルがないわけではないが、自分の小中高の学生時代を思い出してほしい。善悪の区別もつかず、モラルのない子供は山ほどいただろう。悪びれもせず先生に頭突きかましてたアイツが、スマホでTwitterやってると思えば、そりゃくだらない書き込みするのも当然だと思える。

インターネット上では、パッと見年齢がわからない。書き込んだ人の年齢がわからないと、つい自然と大人が書いたもの思って読んでしまう。そのイメージを直せば、もう少しインターネットは快適に過ごせるのではないかと思うのだ。「相手は幼い子供なのかもしれない」という思いを心の片隅に持っておくこと。それだけで少し世界を見る目が変わるだろう。

リアルと同化したインターネットを、これからもより楽しむために、そんなことを少し意識してみるといいかもしれない。中にはどうしようもない大人もいるだろうけど、それは知らん。