人生のメモ

琴線に触れた小さなことを、文章に。

知らない人とLINEで話せるか

インターネット上では、知らない人と繋がることができる。Twitter、Facebook、Instagram、LINEなど、様々なSNSで、IDさえわかれば、見たことも話したこともない相手と会話することができる。

僕は普段メインで使うのはTwitterとLINEぐらいだ。Twitterは知らない人同士が簡単に繋がるが、LINEはそうでもない。仲の良かったり、関係が近い人、少なくとも1回は会ったことのある人と会話する場合がほとんどだろう。

公開用LINEアカウント

以前、「LINE@」というサービスが流行った頃、僕もブログで一時的に導入してみた。LINE@とは、情報発信用の公開LINEのようなものだ。いつも使っている個人アカウントとは別に作れるので、もちろん個人の素性は相手にわからない。

ブログにアイコンを設置すると、それをタップした人が普通にLINEでメッセージを送ってくれる。そのチャットは1対1なので、普通のLINEと変わりない。友達や家族とLINEするのと同じ感覚で会話できる。

1ヶ月ほど設置していただろうか。確か10人ほどフォローしてくれていたと思う。その中でも、3人がLINEで僕にメッセージを送ってきてくれた。

学生からのメッセージ

僕は当時、ジャンルを問わずブログを書いていた。そのため見てくれている人の世代は様々だったが、メッセージをくれたのはどれも学生だった。女子2人、男子1人。うろ覚えだが、2人が高校生で、確か1人が大学生だったような気がする。

メッセージの内容は、「こんにちは!○○の記事からきました!」のような感じだった。軽い質問はあったが、しばらく会話していると、何かを確認したいというよりは単純に雑談がしたいんだろうなぁ、という印象を受けた。

若い人は他人と関わる際の心理的障壁が低い上に、LINEで誰かと繋がることにもあまり抵抗がないのだろう。自撮りのアイコンになっているぐらい開放的だった。知らない人でもメッセージをくれるのは嬉しいものだ。

会話がベースのコミュニケーション

しかし、僕はしばらくしてそのLINE@の設置をやめた。単純に言うと「忙しかったから」なのだが、もう少し詳しく書いてみる。

「既読」機能や吹き出しの表現からもわかるように、LINEは会話ベースのアプリである。自分が話したことを相手が聞いているかどうか即座にわかる。

そのため、テンポ良く会話しないとLINEの良さは失われるし、毎回返事に相手を待たせていては話がなかなか進まない。その辺りが、メールのやり取りでは気にならなかったのに、LINEでは気になってしまう。

メッセージをくれたのは学生だったが、僕は働く身であり、当時は特に忙しく、返事できるほどの余裕がなかった。放置することも多く、その申し訳なさもあり、LINE@の設置をやめた。会話自体はすごく面白かったのだが。

程よい他人との距離感

そんな経験から改めて思ったのは、「他人との会話」においては、LINEは少し距離感が近すぎるということだ。お互い既読で返信がなくても気にならない程度の関係が築けていないと、どうしても気を遣ってしまう。暇ならずっと喋っていられるのだが。残念ながら社畜だし。

そういう意味では、Twitterはよくできていると思う。あくまで個人のツイートがメインであり、会話がメインではないから気を遣わなくていい。知らない人との距離感としては、ちょうど良いぐらいなのではないだろうか。

ここ2年ぐらいで「ソーシャルギフト」というものも流行っている。相手の本名も住所も知らなくても、アカウントさえわかれば、プレゼントを送れるというものだ。距離感を保ちつつ好意を届けられるという意味ではこれも面白いサービスだと思う。

個人そのものと、ネット上のアカウントは、これからますます境界が薄くなっていくはずだ。他人同士はより強く繋がることになるだろう。今までの距離感と、これからの距離感は変わっていくのかもしれない。その辺りのギャップを上手く埋めつつ、生きているうちに、多くの人と仲良くなっておきたいものだ。