人生のメモ

琴線に触れた小さなことを、文章に。

僕らが日々、諦めているもの

NHKの子ども向け番組「おかあさんといっしょ」で活躍している歌のお兄さん。彼らは数年ごとに入れ替わるのだが、その11代目であった「だいすけお兄さん」が、先日番組を卒業した。9年間出演していたそうだ。

歌のお兄さんの恐るべき契約条件

子供がいる家庭では、見ない日はないぐらい人気のある番組なので、知っている人も多いだろう。そんな彼が、長きNHKの縛りから解き放たれ、他局の番組に出演した。

そこで明らかになった契約条件が、あまりに過酷過ぎて驚いた。日々の撮影や爽やかなイメージのためらしいのだが、普通の企業では考えられないレベルなのである。ここに書かれているものだけでも、これだけのものが禁止されている。

  • 恋愛
  • NHK以外のテレビ番組出演
  • 海外旅行
  • スキー
  • 自動車の運転
  • 派手なネイル
  • 立ち食い
  • ななめ横断
  • 新宿・歌舞伎町を歩くこと

20代の恋愛まで捨てて働くこと

現在33歳らしいので、24歳のときから9年間これらを遵守したということになる。どれも完全にプライベートの話だ。

確かに歌舞伎町でお兄さんが遊んでいる写真をSNSにアップされたりしたら、子供たちに不安を与えるかもしれない。しかしアイドルでもないのに恋愛まで禁止するのは、さすがに厳しすぎやしないか。ここにNHKの執念というか、堅苦しさが垣間見える。

特に20代の恋愛なんて、他の何にも変えられないぐらい、今後の人生を左右するものだ。後からやり直すこともできない。それを承知の上で契約したお兄さんには、心から恐れ入る。

裏でこっそりできなくはない気もするが、週刊文春なんかに見つかった日には、この世の終わりである。

僕らが日々、諦めているもの

機会費用、という言葉がある。何かを選択するときに、諦めているもののコストである。上のお兄さんの例もそうだし、僕がブログを書いているこの時間も、何かを諦めている。

例えばこの時間を、資格の勉強や仕事の情報収集に当てれば、もっと高い収入が得られるかもしれない。この時間を、面白いゲームにでも費やせば、ストレス発散になるのかもしれない。

それでも、敢えてブログを選んでいる。それがコストなのである。ブログを書けばタダで広告収入で儲けられるなんて考えはやめた方がいい。

ブログを書くなら、この機会費用を踏まえた上で、ブログで得られるものの方が価値があるかどうか判断した方がいい。自分の考えの整理だったり、文章力や速度の向上だったり、人との繋がりだったり、日々の記録だったり、もちろん広告収入もだが、そういうものに大きな価値を感じる場合である。

これは普通に会社で働く場合も同様だ。本当は今の会社以外で、他に素晴らしい生き方があるかもしれない。それを諦めて生きているのかもしれない。1度レールに乗ってしまうと外れるのは難しいものだが、自分にとって幸せな生き方を、常に探していきたいものである。