人生のメモ

琴線に触れた小さなことを、文章に。

残された4時間で何をしようか

最近、そろそろ家を買ったらどうかという話をされることが増えた。しかし僕はどうにも買う気になれない。これと言って住みたい土地がないのも理由の1つだが、それよりもまず、数十年間にも渡りお金を返し続けなければいけないという状況を受け入れる気になれない。

家を買う男気が溢れない僕

もちろん賃貸を続けても何も残らないし、買ったほうが月々の支払いが安くなるのはわかる。しかし、買うにも当然リスクはある。災害、迷惑な隣人、突然の引越し、地価の下落など、買って後悔することは普通にありえる。数年すれば自動運転の普及で住む場所は自由になるという話もある。そんな中で購入に踏み切る男気は、今のところ僕の中にはない。

バスに貼られたサマージャンボ宝くじの広告に、「7億円」の文字と満面の笑みの役所広司が描かれている。7億当たれば、僕もこれぐらい笑顔を振りまきながら躊躇なく家を買い、仕事を辞めて趣味や旅行で充実した毎日を送るのだが。

現実は大半を仕事に捧げる毎日である。1日12時間働いて、8時間寝たらもう20時間だ。残り4時間。飯食ってウンコしたら終わってしまう。ちなみにナマケモノは1日20時間寝るらしい。

渋谷顔の人は渋谷で降りてほしい

仕事帰りは、1時間電車に揺られる。座れる確率を高めようと、少し遠回りして帰ってみた。だが驚くほどに座れない。「絶対この人渋谷で降りるだろう」と目星をつけていた渋谷顔の人が降りなかったのは誤算だった。整形してほしい。

そして電車は遅延している。自分の早口に酔いしれたような車掌のアナウンスが耳に響く。早口スキルの前に、明らかに音量調節スキルが足りていない。仕方なくイヤホンで耳を塞ぐ。

新しい曲でも購入して聴こうかと思いランキングを開いてみたが、1位に出たのはミスチルの『HANABI』だった。ドラマ『コードブルー』の影響だろう。恐らく100回以上聴いたし、既にスマホにも入っている曲だが、改めて聴いてみる。「笑っていても、泣いて過ごしても、平等に時は流れる」という当たり前の歌詞が胸に来る。

レジ袋の革新はいつなのか

電車のディスプレイには、笑って過ごしているローラが映っている。今朝ちょうど、彼女が事務所とイザコザがあったというニュースを見たので、少し心配である。事務所はダレノガレにシフトチェンジし始めているらしい。別にファンではないし、僕ごときが心配したところで何も変わりはしないのはわかっているが、あの天然の笑顔がお茶の間から消えるのは少し寂しい。

電車を降り、家の近所にあるスーパーで弁当を買う。それにしても、レジ袋はいつまでこうも開けづらいのだろうか。 効率が追求されるこの時代に、袋を開けるには未だに濡れ布巾に頼らざるを得ないこの敗北感。しかもたまに濡れてない。

傘の不便さなども同じだが、昔ながらの製品は、そろそろ革新が生まれてもよいのではないか。例えばお弁当に貼られたセロハンテープは、いつからか驚くほどに切れやすくやった。レジ袋担当はセロテープ担当に弟子入りすべきである。

そうこうしている間に家に着く。家賃10万ちょっとの賃貸に。僕に男気が生まれるのはいつかはわからない。さて、残された4時間で何をしようか。